ホーム > ニュース > オーガニックコラム > マクロビオティックの基本的な考え方

マクロビオティックの基本的な考え方

身土不二(しんどふじ)の原則
韓国の済州島に行ったとき、有名な植物園を見学しました。正面入り口の右側に大きく、身土不二(しんどふじ)と書かれていました。中国から伝わり、朝鮮半島にも広がり、わが国にもこのような考え方が入ってきました。身体と土(環境)とは密接な関係があり、不離一体のものという考え方で、その土地で暮らす人はその土地で出来たものを食べるのが自然で、一番身体のためにも良いということです。厳しい環境であれば厳しい環境に耐えて育った作物、そこで取れた魚介類、或いは山の動物も貴重な食物であったはずです。極端な加温ハウスなどで作らず、自然の中で育ったものは、ともに暮らしともに育つという地域循環型の生き方に結びつきます。

 

一物全体食の原則
一物全体(いちぶつぜんたい)とは、一つの食材は一つ丸のままであれば素材として完全なものであるという考え方です。例えば玄米、米は籾殻をとっても玄米の状態であれば、土にまけば発芽します。卵は殻にはカルシュームも多く含まれますが、雛が孵化するに充分な栄養が含まれ、孵化後48時間は生きていける栄養素を持っています。一物全体で忘れてならないのは、一物には命があります。発芽して成長する命があります。卵でも有精卵であれば孵化するのです。計りで測ることは出来ませんし目に見えませんが、生きているのです。その命を大切に頂くために、皮をむいたり一部分だけを食べるのではなく、全体を頂くことです。人参や牛蒡は皮をむかずに料理します。根菜類は基本的に皮をむきません。皮をむく場合は、その皮の利用方法も考えます。

 

玄米を食べる
米を食べると云う事は一物全体の基本となる考え方です。玄米を食べられない方もありますから、それなりの工夫が必要です。料理教室で学んでください。桜沢先生は玄米又は無砂搗き五分米という表現をされています。麦を分搗き米に混ぜて食べることも消化吸収、栄養の面ではよいことだと思います。

玄米食で注意することは、フイチン酸のことがあります。玄米食をされている方の中には、フイチン酸によって毒物が排泄されるといわれますが、毒物の排泄もする反面、穀物は燐酸の多く含まれる肥料で育てると、穀物の中にフイチン酸が増え、フイチン酸によって体内のミネラル分が排泄される。という説もあります。毒物の排泄は確かに行われるでしょうが、他のミネラルも失われることも考えられますから、ミネラルバランスやビタミン類の摂取を考えた料理の組み合わせが必要です。玄米だけ食べていれば大丈夫というのは改めなければなりません。

 

普通食と養生食
病気の養生のための食事は、シンプルに、つまり、玄米だけから始めます。それは色々な体に良くない食べ物を食べて病気になる場合もあるからです。その為には身体にたまった毒素なども排泄し、身体をリニューアルしなければなりません。簡単で早く治療効果を挙げるために断食が行われるのは理に叶っているのです。ただ、通常の生活の中で何時までも養生食を続けると栄養不足が起こりますから、見極めが大切なのです。

 

料理教室での献立
料理教室では「家庭で出来る簡単マクロビ」といっています。基本的なことと応用の組み合わせです。100点満点ではありませんが、70点以上です。このような組み合わせであればどなたでも食べられる。というのが一番大切だと考えているからです。食べてもらえなければどんなに100点満点の料理でも、0点になってしまうのです。食べているうちに知らず知らずのうちに、このところ元気になったような気がする。体調がよくなったとか疲れなくなったとか、そのような反応が出てきたら効果があったことになるのです。続けることが一番で、辛抱強く取り組んでいただきたいと願っています。

ページの先頭へ